「お灸は、熱いですか?」八王子のもみじが、分かりやすくお答えします!

みなさんの元気と笑顔をサポートする鍼灸マッサージの必殺仕事人こと、八王子もみじ鍼灸治療室院長の小町です。
八王子もみじ鍼灸治療室に、一般の方から、このようなご質問がありました。
『お灸って、熱いんですか?』
今まで鍼灸治療を受けられた方も、これから受けてみようと考えている方も、「お灸はイヤだ。」と思われている方も、最後までご覧いただけるとうれしいです。
答
施術や治療の方法によるので、熱い場合もあります。
患者様の症状によって、施灸箇所、熱刺激の量、範囲などお灸のやり方が様々です。
効果的なお灸の温度の決め方
一般的に、
ご年配<子供
実症<虚症
肌が色黒<肌が色白
がっしりしている人<ナヨナヨとしている人
に柔らかいお灸をした方が、施灸効果が高まります。
お灸の方法は、大きく4種類です。
②艾を筒や台座の上に置き、点火させる方法
③艾を巻いたものに点火させ、皮膚に近づける方法
④艾を切った生姜などの上に置き、点火させる方法
があります。
私の経験上、①から④の順で患者様の感じる熱量が多く、燃焼範囲が広くなります。
各々の先生のお考えにもよりますが、ツボに効かせるなら①≧②の施灸方法、皮膚・筋肉・関節に効かせるなら③・④の施灸方法が一般的です。
それぞれの施灸方法と熱刺激量
鍼灸師は上記にあげたことを考慮しながら、患者様の症状に合わせて、いろいろなお灸を組み合わせます。
ここでは、大きく4つに分けた施灸方法と、それぞれの火傷を予防するための対処法をまとめてみました。
①艾を直接皮膚に置き、点火させる方法(A・Bの2種類)
A:半米粒大〜米粒大(直径3mm程)に艾を捻り、皮膚の上に置いて点火する方法
Aの場合:瞬間的に熱い熱刺激をツボに与え、効能を高める施灸方法です。
艾は良質な艾を使用します。良質の艾は柔らかいため、燃焼速度が緩やかで、熱さも柔らかく伝わります。
〔灸点紙:周辺は白色(直径15mm)、中心部は銀色(直径6mm)〕
Aの施灸方法は、私の学生時代から灸点紙というシールの上で、お灸を据えることで、熱を緩和させてツボに伝える方法もあります。
シールの銀色の部分には、熱を緩和させる役目があります。そして、中心に極小さい穴が空いているため、艾の成分も皮膚に伝わります。
[対応法]艾は全て焼き切ることがなく、八分目程で消火させるため、火傷予防に対処しています。
職人の灸は技を使う
moxafuicaより抜粋
火傷になるかならないのかは、温度と時間に比例します。たとえ温度が低くても、時間が長ければ低温やけどを起こしてしまい、高温やけどよりも治りがよくないのが現状です。
瞬間的な熱さを短時間において、ツボを刺激することで効能を高めます。(灸あたりを予防するため)
台座灸(②で説明)などの温度が低く、時間も長くのお灸も一つの方法ですが、職人のお灸は高温レベルを保ちながら、時間を長く注入させることが重要なカギで、熟練した技術です。
そのためには、竹筒を使います。
点火したお灸を頃合いを見計らって、竹筒をお灸に被せます。
燃焼している艾は、筒内の酸素の量に比例しながら消えていきます。この熱の余韻がツボに染み入るのです。これが経験です。
そして竹筒を被せた時の圧力が、お灸の熱を感じさせづらくさせ、効率よく熱刺激を注入させ、ツボに効かせるお灸になるのです。
B:直径1cm位の円錐状に艾を捻り、皮膚の上に置いて点火する方法
Bの場合:じんわりと熱刺激をツボなどに与えて、効能を高める施灸方法です。
Bの艾は、Aで使う艾よりもやや粗いもので、熱の伝わりが大きいのが特長です。なので、大きく円錐状に艾を捻り、皮膚から遠い頂点に点火して、ゆっくりと燃焼する艾の温かさを感じながら施灸していきます。
[対処法]患者様が熱さをこれ以上我慢できない時点で、術者に伝えていただき、艾を取り去ること方法です。(ただし、患者様が気持ちよくなり過ぎて、寝てしまわれると、困ってしまいます…。)
術者と患者様との呼吸(タイミング)が大事で、効能も信頼関係に比例します。
②艾を筒や台座の上に置き、点火させる方法
市販されている台座灸やダルマ灸に点火させてツボに置き、熱刺激を与える方法です。
上記でいうと、①のBの施灸方法に似ています。艾も粗悪なものを、硬く圧縮したものが多いです。
①のBとの違いは、燃焼する範囲と、アナログ的なお灸とデジタル的なお灸です。
円錐状のお灸は術者がアナログ的に艾を捻るので、温度の柔らかさが調節できます。台座灸やダルマ灸は既に艾が捻ってある既製品なので、燃焼温度が物によって一定なため、デジタル的なお灸になります。
皮膚から艾が浮いているので、直接ヤケドをするよりも、熱が徐々に加わって生じる低温ヤケドに注意が必要です。低温火傷の方が治りが悪いので、非常に問題です。
[対処法]市販の物は、温度別に販売されているので、患者様に応じた施灸箇所、効果を引き出すため適正温度を選択することで、火傷予防に対処していきます。
体調などにより感じる温度が違うので、毎回、燃焼度合いを確認しながら、定期的に声かけを行うか、熱さが我慢できない時点でサインを出していただき、台座または筒を施灸箇所から外して消火します。
③艾を巻いたものに点火させ、皮膚に近づける方法
〔上:使用前の棒灸、下:使用中の棒灸〕
紙巻タバコの様に、艾を紙に巻いた物(一般的な棒灸の直径が、約1.7センチメートル)の先端に点火させ、火の点いた部分をツボや皮膚に近づけます。
棒灸の点火部分と皮膚との距離が、そのまま患者様が感じる熱の強さになり、棒灸の太さが熱量となり、太くなる程に、熱の照射部位(フォーカス)が広範囲になります。
[対処法]施灸部分が目で確認できるため、皮膚の発赤度合いなどを確認しながら、実施していきます。ただ患者様や体調によって、温度感覚が違うので、患者様に定期的に声かけなどで確認したり、熱く感じたらサインを出すように施灸前にお願いします。
★鍼+お灸のW効果による施術・治療
患部に刺入してある鍼にも、取り付けて灸頭鍼にして使用することもあります。
ツボの効果を引き出すよりも、皮膚や筋肉の血流改善などを目的とした施術や治療に用いられます。
[対処法]患者様に照射部位の発赤度合いを見ながら、患者様に熱さ加減を定期的に聞く。または施灸前に熱すぎると感じたらサインを出していただくようにお願いして、対処していきます。
ちなみに、このお灸は輻射熱(熱の伝わり方が、電磁波の形(エネルギー)で物体から物体に伝わる。例:薪ストーブや太陽の暖かさと同じ)です。艾の燃焼エネルギーが、皮膚に伝わります。
なので、艾が完全に燃焼しても、熱は刺鍼してある鍼に伝わっていきません。
④艾を切った生姜などの上に置き、点火させる方法
ツボ等の上に、スライスした生姜などを置き、やや大きめの円錐状に捻った艾を、生姜などの上に置いて点火します。
生姜の成分も効能として、気血の流れなどの体調を整えていきます。
[対処法]患者様に熱さ加減を定期的に聞く。または施灸前に熱すぎると感じたらサインを出していただくようにお願いして、対処します。
お灸がオススメな人は、このような人!
★ストレスが強く感じている
★自律神経が乱れている
★慢性的な症状を抱えている
★温めた方が気持ちいい
★施術・治療後に血流の改善が必要と言われた
方は、お灸の方が受けていて、「気持ちいい!」と感じられると思います。
赤外線治療器や、遠赤外線のストーブやこたつ等、体を温めることはできますが、お灸は体の温まり方が違います。
一般の方からは、「古くに幼少時や子供の頃に悪いことをする。」と親御さんなどから叱られる時に“お灸をすえる。”と言われていたことから、お灸へのイメージが、非常に良くないです。
しかし、鍼灸師の先生にお任せすれば、問題ありません。
台座灸・ダルマ灸に限らず、家ではできないお灸を受けることが可能です。
ぜひ貴方も、お灸を自ら施灸したり、鍼灸院で受けたりして、心も体も温まりましょう!
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