私の履歴書 治療家人生、最初の担当患者は小学2年生。 あの時、自分も若かった。

皆様の元気と笑顔をサポートする、八王子の鍼灸マッサージの必殺仕事人こと、もみじ鍼灸治療室院長の小町です。
どの先生も治療家としての第一歩を踏み出す時、最初に治療した患者さんの印象はとても強いものです。
私も当時、初めて担当として携わった患者さんは「小学校2年生の子供」でした。
内容は骨折後の療法、いわゆる“リハビリ”です。
リハビリも今となっては細分化され、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など、患者さんのニーズに合わせて実施されています。
細分化される前は一体化されていたため、あん摩マッサージ指圧師が患者さんのリハビリを統括して実施し、評価を行っていた時代がありました。
最初の担当した患者さんも、整形外科から修行していた鍼灸整骨院にリハビリを依頼された患者さんです。
リハビリが失敗したら意味がない!
骨折すると患部を固定するため、関節を動かすことができずに固まってしまいます。(拘縮)
治療の工程は、患部の筋肉をほぐした後、関節のバランスを整え、関節可動域を拡大していきます。
定期的に師匠に経過・患部の状況を評価いただきながら、治療メニューを相談し、リハビリを進めて行きました。
問題点
患者さんは子供なので、体自体が未完成です。そして、これからも日々、成長していきます。
そのため自ら患部の関節を動かすうえで、生活に支障が出てしまっては、その後の長い人生に大きな影響が出てしまいます。
さらに
固まっている関節の可動域を広げていくことは、激痛を伴います。
特に天気の悪い雨の日や寒い日は、より感じやすくなります。
痛みが加わる恐怖から子供に限らず、治療中は自然と防御的に体に力が入ってしまいます。
ここで私が妥協して痛みが発生しない範囲内でのリハビリを実施すれば、当然ですが痛みは発生しません。
しかし、関節可動域は変わらず、拘縮したままの状態で、今後を過ごすことになります。
そして
骨折した患部の骨の部分は強く再生しますが、その周辺にも負担がかかります。関節を徐々に広げていくためには術者の力加減が非常に難しいのです。
まして、何回も書きますが、患者さんは“子供”です。
治療するためには繊細な感覚がものをいい、結果に繋がっていきます。
子供との信頼関係も…
私自身は、子供がいません。
当時、子供と触れ合う機会も、特にありませんでした。
ですが、治療家として、何とかしなくてはなりません。
術者も患者も、一人の人間です。
信頼関係に年齢は関係ありません。
双方の信頼をなくして、治療もリハビリも、うまくいきません。今でもその思いは変わりません。
時に、その子が辛いリハビリに、涙を見せたことがあります。
“一生懸命”だからです。ガチで私にぶつかってきます。
当然ですが、その姿を見て、自分もより深く色々なことを考えます。
もしかしたら、「もうリハビリに来ないかもしれないのでは…。」と、感じたこともあります。
ですが、次の日には、その子がまたリハビリに来ます。
雨が降る日も、暑い日も、寒い日も、リハビリに来ます。
時は重なり・・・
痛みもなくなり、関節可動域も改善し、あとは「日常の生活を見ながら・・・。」というところまで進みました。
リハビリも“卒業”です。
その後も時折、その子も「元気に遊んでいるのかな?」と思いつつ、再発しないことを願っていました。
それから修行が終了するまで、会うことはありませんでした。
現在、振り返り・・・
あくまで推測ですが、もし今、お互いに会ったとしても、その子は覚えていないかもしれません。
もしも『運命』というものがあるならば、私の人生において、非常に大きな影響を受ける一つの『運命』でした。自分史の中でも、必ず太字で書かれる出来事です。
そして、その子が私の治療家人生のスターターだったことに幸せを感じ、今も尚あの時の気持ちと変わらずに、八王子でいろいろな患者さんのお悩みに向き合っています。
その子に対して、今はただ感謝の気持ちで一杯です。
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