鍼灸マッサージ治療院の賢い選び方 〜一生通える治療院と出会うために〜

- どこの治療院に行けばいいのか、わからない…。
- 近くに治療院はあるけれど、初めて入るのは少し不安…。
- 鍼灸院はどこも一緒なの? どんな先生なの?
皆さん、こんな経験はありませんか?
今回は、信頼できる治療院や鍼灸師の見分け方、快適に不調の相談や、リフレッシュができるために、鍼灸マッサージ治療院の特色や費用、選び方のポイントなどをご紹介します。
鍼灸には3種類の方法があります!
鍼灸には、大きく分けて「現代鍼灸」「伝統鍼灸」「中医学鍼灸」の3つがあります。
★「現代鍼灸」とは
西洋医学的な考え方により、筋肉・神経・関節などの解剖学・生理学に応じたアプローチをする方法です。
症状に対して、関連する筋肉のポイントや神経の走行などのを考慮し、局所的に治療を実施するため、非常に分かりやすい考え方といえます。
刺した鍼に電極を挟み、低周波〔電流〕を流す“鍼通電療法(鍼パルス療法)”などが有名です。
★「伝統鍼灸」とは
中国から伝来された鍼灸治療を、日本人が日本人の体や風土に合うようにアレンジし、育んだやり方です。
中医鍼灸と同じく、四診による診断法をベースとしますが、要穴といわれる手足のツボなどを使用して、気・血・津液のバランスを整えて改善を目的に治療を行います。
治療法法として、「本治法」と「標治法」があります。「本治法」は要穴を使った治療方法で体質改善が主であり、「標治法」は症状の出ている所を対象とした治療法です。
鍼灸には治療方法が2種類! 痛みをすぐに取り去る“局所改善”の治療法と、“体質改善”を目的とした治療法。 その違いとは?
★「中医鍼灸」とは
中国医学による考え方が基本で、中国で育まれた鍼灸治療のやり方です。
中国鍼と言われる、太い鍼(下の写真参照)を使用したり、症状の見立て方も伝統鍼灸とは、異なるところがあります。
漢方・湯液なども中医学をベースに考えられています。四診により診断を行い、経穴(ツボ)などの特性を活かした治療します。
気・血・水のバランス整える作用から、臓器を強くする作用を持つもの、熱を冷ます作用などの効能を持つ各々の経穴(ツボ)を選穴してします。
写真:一番下が中国鍼
(鍼の技が使いやすいように、丸い突起物が付いています)
このように中医学鍼灸は手技(雀啄法など)を用いることにより、症状を改善する治療を行う場合があります。
マッサージも、3つの種類があります。
一般に言われている“マッサージ”にも、「あんま」、「マッサージ」、「指圧」の3つがあります。
あんま・マッサージ・指圧の違い | |||
あんま | マッサージ | 指圧 | |
時期 | 江戸時代以前 | 18〜19世紀ころ | 大正時代 |
発祥 | 中国 | ヨーロッパ | 日本 |
滑剤 | 不使用 | オイル・タルク | 不使用 |
環境 | 衣服の上から | 直接肌に触れる | 衣服の上から |
方向 | 遠心性 | 求心性 | 遠心性 |
手技 | 「7種類」 | 「6種類」 | 「2種類」 |
軽擦法 | 軽擦法 | 押圧 | |
揉捏法 | 揉捏法 | 運動操作 | |
圧迫法 | 強擦法 | ||
振せん法 | 圧迫法 | ||
叩打法 | 振せん法 | ||
運動法 | 叩打法 |
表に示したように、“あんま”・“マッサージ”・“指圧”には、相違点が多くあります。
“あんま”・“マッサージ”・“指圧”はそれぞれの手技が歴史により、各々確立されています。
“指圧”は名称通りにイメージできると思いますが、“あん摩”と“マッサージ”は同様なものと思われていることが多く、混同している人が多い印象です。
鍼灸マッサージ治療院の一般的な価格相場とは…
治療院での施術料金となると、自由診療という形が一般的です。
鍼・灸・あん摩マッサージ指圧の治療は、診断名に対しての治療ということではなく、症状や証に対しての治療となるためです。
つまり、あからさまに「捻挫」「突き指」など急性・亜急性な外傷(ケガ)を対象としていないので、保険治療の適応にはなりません。(「保険」については、次項をご覧ください。)
施術料金は基本的に治療院によって異なります。60分程の施術にて、5000円〜10000円以上と様々です。治療内容などが異なるので、料金も異なると考えます。
鍼灸マッサージ治療には、保険が使える?
鍼灸マッサージは、保険(医療保険・介護保険・交通事故)が使えます。
★ 鍼灸治療は…
- 神経痛
- リウマチ
- 頸腕症候群
- 五十肩
- 腰痛症
- 頚椎捻挫後遺症
等があり、その他に医師が認めた症状に対して、保険が適用されます。
★あん摩マッサージ指圧治療は…
- 筋麻痺
- 関節拘縮
等があり、その他に医師が認めた症状に対して、保険が適用されます。
★保険が適用なる条件とは…
医師の同意(開始時は書面にて)が必要となります。
また継続して保険治療で受療する場合は、3か月毎に医師の同意が必要となります。
目的に合った鍼灸マッサージ治療院を選ぼう!
お悩みの症状に対して、その治療院が“何を得意としているのか!”が重要です。
皆さんは病院や医院を受診される時に、ご自身のお悩み(首こり・腹痛など)に合わせて、内科、整形外科、婦人科などが選択する基準があると思います。
治療院を選択する上でも同様であり、“治療院が得意とする症状”と“お悩みの症状”が合致する治療院を選択することが重要です。
治療のやり方も、考え方も、鍼灸マッサージ治療院によって異なる
開業している治療院の先生が、最も得意とする治療の方法があるはずです。
前述したように、鍼灸でも「現代鍼灸」「伝統鍼灸」「中医鍼灸」の3種類、マッサージでも「あん摩」「マッサージ」「指圧」の3種類の治療方法があります。
治療院・先生によって、鍼治療に使う本数や施灸の方法、あん摩・マッサージ・指圧の施術方法などが異なる場合があります。
以上のことも、治療院のホームページなどで確認してから、来院されるのがオススメです。
このことからも、ご自身の受けてみたい治療方法は、鍼灸なのか?、マッサージなのか?、併用なのか?、お任させなのか?を確認しましょう。
そして、お電話やホームページに記載されている内容をご確認の上、まずはその治療院に、ご相談してみてください。
また、どの治療方法がいいのか分からない場合でも、施術前にご相談できる治療院がいいですね。
症状のお悩みにも、人によって違いがあります!
患者さんの体質や症状の成り立ちが違うため、違いが生じてきます。すぐに改善できる症状もあったり、時間や回数を要することもあります。
まずは初回治療での先生の所見・内容などを参考に、以後の治療を考えることも必要なことです。
治療の内容においても、そのお悩みを患者さんの立場に立って考え、真摯に話せる先生が“いい先生”だと思います。
そのお悩みが全体を改善する引き金になっている場合がありますし、また患者さんがあまり気にしていないことであっても同様の場合があります。
患者さんが安心して、先生とお話ができる環境が、よりよい治療効果を上げるためにも最良な環境です。
ホームページや著書・口コミなども参考に
ホームページや著書は治療院・執筆者の先生の“顔”です。
治療院の方針や治療への考え方、治療方法など、その先生の表現方法など細かく書いてあります。その中で印象に残る、または症状に対しての考え方が合う治療院を選択することが重要です。
また口コミも、非常に重要な判断材料です。少し前のように患者さんの口から口に伝わっていたことが、現在では掲示板という形で表されています。
口コミを書くというのは、非常に責任のあることだと思っていますし、その口コミを参考にして、治療院を選択したことも、その口コミした人を信頼したことになる訳です。
実際に行ってみて、相性の良い鍼灸マッサージ治療院を選ぼう!
実際に治療院に行かれて、目で見てみないことには何も始まりません。
いくら口コミなどで良い内容であっても、受ける患者さんによって、実際の感じ方は違います。
治療を受療する上で大事なことは、患者さんと術者の信頼関係だと感じます。
患者さんがその先生に対して、「この先生なら、何とかしてくれる!」というものが大事だと思います。
『病も気から。』という言葉がありますが、『治すのも気から。』だと感じます。
患者さんが安心して治療を受療できることが、お悩みの症状を改善させるためのスタートです。
先生の人柄や熱意は、治療内容や話し方などから伝わってきますし、治療結果に反映してきます。
これこそが『人が人を治す』という“東洋医学の礎”だと感じます。
これからの長い健康人生の中で、皆様が信頼できる先生と巡り逢えることを、心より願っております。
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